06月06日
あの頃の私は、元恋人との関係の中で受けた調教の記憶からなかなか抜け出せず、心の奥底でずっと苦しんでいました。
ふと見返した日記に、「もっと綺麗な人間になれますように」って書いてあって——
きっと、あの時の私は“普通”になりたくてもがいていたんだと思います。
でも、今振り返ってみると、恋人ができるよりもずっと前から、私はMとしての素質を持っていたんですよね。
SMが忘れられないのなら、いっそもっと素敵なご主人様と出会えば、私はもっと自由に、もっと深く楽しめるのかもしれない。
そう思ったのが、この世界に入るきっかけでした。
そして、6月で——
私が「しいな」として生きるようになって、1年が経ちました。
この1年で、本当にたくさんのSMプレイを経験させていただきました。
日々、刺激と快楽と、時には痛みとで、心も身体も満たされています。
特に、何度も私に会いに来てくださるご主人様方には、言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。
今の私は、もう「普通」に戻りたいなんて思いません。
そもそも私が求めていたのは“普通”じゃなかったんです。
「普通が分からない」「普通じゃ興奮できない」——それが私なんだって、ようやく自分自身で納得できるようになりました。
恥ずかしい姿を晒すことに快感を覚えたり、縄や拘束の不自由に興奮して、解かれた瞬間に「ああ、戻っちゃった……」って少し寂しくなったり。
もっともっとSMを深く知って、感情も快楽も、すべてがぐちゃぐちゃになるような——そんな時間を、私はこれからも楽しみたい。
もう、あの頃の私には戻れないと思います。
ちょうど、溶いた卵が二度と目玉焼きには戻らないのと同じように。
私という存在を必要としてくださる、素敵なご主人様との出会いを、心から楽しみにしております。